Poorman's TRXを考える(パワーアンプ編)
2005年6月
|
今手に入る部品で安価にトランシーバを作ろうということで、そのいくつかのキーコンポーネンツを考え、実験してみます。 まず、送信部のパワーアンプから。左の写真は、2SC1815GRの3パラ・プッシュプルアンプです。2SC1815GRは秋月で200個入り袋が600円で売られていますから、6個使っても18円です。
TO-92タイプ用の放熱器は最近見かけませんので、とりあえず目玉クリップなんかが使えると思います。100円ショップで10個100円くらいで買えそうです。
|
目玉クリップを外した様子。ここに写っている部品の中で一番高いのは半固定抵抗で、20〜30円します。 |
回路図です。バイアスは、D1;1S1588に順方向電流を流し、その電圧降下分VFをさらに抵抗分割して入力トランスのタップに入れています。D1はトランジスタに熱結合させます。 半固定抵抗の設定位置にもよりますが、へたをすると簡単に熱暴走しますので、実験時には電流制限機能付の電源を使いましょう。正常に動作しているときは、0dBmの入力時に約140〜160mA程度の電流が流れます。
|
入力周波数と出力の関係をスペアナとTGで観察した様子です。TGの出力レベルは0dBm固定、スペアナの入力には20dBの外付けATTを付けていますので、縦軸の値に20dB加算した値がこのアンプの出力値であり、同時にパワーゲインの値を示すことになります。マーカーは7MHzに置いてあります。 7MHzでは、入力0dBmに対して出力は28dBm程度(SGからスポットで入れて測ったら27.5dBmでした)。28dBm付近に1dB圧縮点もあります。また、図からは、50MHzでもまだ10dB以上のパワーゲインが得られることが分かります。
もうちょっとパワーが欲しければ、さらにトランジスタをパラレルにつなげばよさそうです。
|